DNSはなんとなくはわかるけど詳しいことは理解できていない, という状況の中で発売され評判もよかった本. やっとのことで読む時間を確保できたので読んだけど, 実際すごくよかった.
概要
DNSの仕組みから運用ノウハウまでを解説した本. 大きく3部構成で,DNSとは何かから学べる基礎編, 実際にネットワークを構築しDNS設定を行う設定やDNSを運用するときに必要な知見を記載した実践編, 運用のノウハウやセキュリティまわりの動向を扱ったアドバンス編で構成されている.
よかったところ
正確な表現を利用しつつも,わかりやすい解説があったことが良かった. インターネット上で調べると用語や説明がわかりにくいか,場合のよっては間違えているものが多く 理解の妨げになっていたけど, 世の中における誤りを指摘しつつ正しい用語で説明してくれたので理解が進んだ. その中でもわかりやすさを重視して解説してくれたおかげで, 途中で理解が迷子にならず読み進めることができた.
また,教科書というだけあって,一通りのトピックを扱っているので 知識の抜けがなく全体を俯瞰できたのはよかった. 加えてよくある誤りや設定ミスも記載されており, どういった点に注意すればよいかも理解しやすい.
8章のDNSの動作確認では実際にコマンドを使ってDNSの動きを理解できたこと, 9章のDNSに関するサイバー攻撃の分類と解説, 11章のDNS設定でよくある誤り, は特に参考になった.
よくなかったところ
全体をコンパクトにまとめることを重視したせいかもしれないけれど, もう少し説明が欲しい章はいくつもあった. 個人的には特にリソースレコードやDNSSECはもう少し詳しく扱って欲しかった. DNSの動作検証用のサイトとして取り上げた3つのDNSチェックサイトも どう見ればいいのか理解できていないでいる.
まとめ
DNSに対する苦手意識は払拭できたし, 今後どこの技術領域を調べればいいのかわかるようになった という点で非常によかった. インフラ/ネットワークを扱う人なら誰でも1度はDNSで つまずいた経験はあると思うので, そういう人には間違いなくお勧めできる. 基礎編はインフラを扱う人でなくても1度読んでおいて欲しいくらい.